奨学金とは?(奨学金制度の解説)
奨学金は、子どもの教育とその後の人生に関わる重要な問題です。
ここでは、奨学金制度をかんたんに解説します。
また、奨学金の現状についても概説します。
奨学金は、どんな仕組み?
奨学金とは
世の中には、学生生活をサポートする様々なシステムがあります。
そのうちのひとつに「奨学金」があります。
奨学金は、入学金や授業料など、学校に通うのに必要な費用を支給してもらえる制度です。
奨学金の種類
奨学金は返済のあるなしで2種類に分けられます。
もらえるタイプと、借金するタイプの2種類です。
それぞれ「給付型」と「貸与型」と呼ばれます。
貸与型はさらに、利子があるタイプ(有利子)と、利子のないタイプ(無利子)に分けられます。
奨学金の目的
奨学金は、次のどちらかの目的で支給されます。
- 経済的に恵まれない人を助ける目的
- 学業などが優秀な人を応援する目的
そして、目的と予算に合わせて、採用人数や、学力・家計状況・人物などの選考基準が定められています。
一般的には「給付型」よりも「貸与型」の方が選考基準がゆるやかになっています。
奨学金の支給もと
奨学金を支給してくれるところは、さまざまな種類があります。
- 国の奨学金(日本学生支援機構)
- 地方公共団体の奨学金(都道府県や市区町村)
- 学校の独自の奨学金
- 民間団体の奨学金
貸与型は返還が必要
貸与型は、基本的には、受給したら卒業後に返済しなければいけません。
返済期間は決まっていて、滞納すると、返済を迫られたり、強制的に取り立てられたりします。
大学生を取り巻く奨学金事情
世界的に見て、日本は、大学などの高等教育に投入している税金が少ないと言われてます(2013年のOECD調査)。
そのため、国公立大学ですら学費が増加し続けています。
しかし、高額な学費をかんたんに支払える家庭は多くありません。
そのため、約50%の大学生が、なんらかの奨学金を受給しています(平成26年度の独立行政法人日本学生支援機構による調査)。
高額な学費を支払うため、貸与型の奨学金を受給している学生の借入総額は、平均で313万円にもなっています(2015年の中央労福協の調査)。
中には、500万円を超える借り入れをしている学生もいます。
社会人のスタートとともに多額の借金を抱えることで、「結婚」の費用をなかなか貯められない若者が増えています。
さらに、多額の借金は、「出産できる子供の数」、「子育てにかけられる費用」などにも大きな影響を及ぼしています。
奨学金の返済が、卒業後に重くのしかかる・・・
結婚したくても、奨学金の返済が障害に・・・
国の動き
このような奨学金事情を受けて、政府や文部科学省は、近年、低所得世帯のために、無利子の貸与型奨学金の枠を広げ、だれもが奨学金を借りられるようにしました。
さらには、低所得世帯のために、大学生向けに、公的な「給付型奨学金」が創設され、お金に余裕のない家庭の子でも、進学しやすい環境が整ってきています。
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